Seedance 2.0の使い方

@タグシステム、プロンプト構造、クレジットを無駄にするミスなど、実際に重要なポイントに絞った実践ガイドです。

始める前に

Seedance 2.0は単なるテキスト動画ボックスではない

多くの人はそう扱います。長い文章を書き、生成を押し、結果がずれている理由に悩みます。重要なのは、Seedance 2.0がコンディショニングエンジンだということです。テキストプロンプトだけでなく、画像、動画クリップ、音声ファイルを明示的な参照として受け取ります。それぞれがキャラクターの同一性、カメラ移動、アートスタイル、サウンドトラックのテンポなど、出力の別々の部分を固定できます。

凡庸な生成と使える生成の差は、たいていプロンプトそのものではありません。アップロードした各ファイルに何をしてほしいかをモデルへ伝えたかどうかです。

Step 1

@タグシステムを覚える(ここが核心)

1回の生成で最大12ファイルまでアップロードできます。画像9枚、動画クリップ3本、音声トラック3本です。ただし、目的を伝えずにファイルを渡すのは、カメラマンに写真の束を渡して「いい感じにして」と言うようなものです。@タグシステムはそれを解決します。

構文はシンプルです。@Image1、@Video2、@Audio1 のように指定し、そのファイルがどの役割を持つかを説明します。

冒頭ショットを固定する

@Image1 as the first frame

最初のフレームから構図、色調、フレーミングを固定します。具体的な開始ビジュアルがあるときに便利です。

顔の一貫性を保つ

@Image2 is the main character

モデルがこの顔をクリップ全体で追跡します。明るく正面に近いヘッドショットが最適です。集合写真は避けてください。

カメラ移動をコピーする

Reference @Video1's camera tracking and dolly movement

モデルは内容ではなく撮影手法を再現します。公園の手持ち追跡ショットでも、SF廊下のチェイスを演出できます。

音楽でムードを設定する

@Audio1 as background music

Seedanceはシーンのリズムを音声ビートへ同期します。テンポ、ムードの変化、ドロップがテンポやカットに影響します。

アートスタイルを転写する

@Image3 is the art style reference

色調、質感、視覚トーンをこの画像から取り込みます。参照は1枚で十分です。複数のスタイル参照を積み重ねると出力が濁ります。

すべてを組み合わせる

@Image1 as first frame, @Image2 is the main character. Reference @Video1's camera movement. @Audio1 as background music.

各ファイルに明確な役割があります。これが核心です。各素材の役割を明示しないと、モデルが推測します。

Step 2

実際に機能するプロンプトを書く

基本式は Subject + Action + Scene + Camera + Style です。80語以内に収めましょう。長い説明より、短く構造化されたプロンプトの方が安定します。モデルは冗長さを評価しません。

被写体
30代の女性、後ろでまとめた黒髪、ネイビーのリネンブレザーを着ている
美しい人物
年齢、髪型、服装などの手がかりが多いほど、モデルが勝手に補完しにくくなります。
動作
ゆっくりカメラの方へ振り向いて微笑む
面白いことをする
明確な動詞と速度が必要です。「ゆっくり」は重要です。速い動作は手や指の崩れを招きます。
シーン
夕暮れの屋上テラスに立ち、背後に街のスカイラインがある
いい場所にいる
時間帯と具体的な場所を指定します。ゴールデンアワーも指示すれば再現できます。
カメラ
ミディアムクローズアップ、ゆっくりドリーイン
シネマティックなカメラ
1ショットにつき1つの動きに絞ります。パン、ズーム、トラッキングを同時に入れると揺れやすくなります。
スタイル
左から柔らかいキーライト、暖かいリムライト、浅い被写界深度、フィルムグレイン
シネマティックな見た目
「シネマティック」だけでは平板な灰色の出力になりがちです。欲しい照明レシピを具体的に書きます。

組み合わせ例

「30代の女性、後ろでまとめた黒髪、ネイビーのリネンブレザーを着ている。ゆっくりカメラの方へ振り向いて微笑む。夕暮れの屋上テラスに立ち、背後に街のスカイライン。ミディアムクローズアップ、ゆっくりドリーイン。左から柔らかいキーライト、暖かいリムライト、浅い被写界深度、フィルムグレイン。」

明確な5つのアンカー。詩的表現や曖昧さは不要です。

Step 3

設定を選ぶ

考えすぎる必要はありませんが、いくつかの選択は想像以上に重要です。

4〜15秒。見た目を詰める間は4〜5秒から始めましょう。長いクリップはクレジット消費が増え、プロンプトの問題も増幅します。

アスペクト比

16:9、9:16、4:3、3:4、1:1、21:9の6種類。Reels/Shorts/TikTokには9:16、YouTubeやワイドには16:9、映画的な超横長バー表現には21:9を使います。

モデルバリアント

Seedance 2.0 Fastはクレジット半分、速度2倍で下書き向けです。Seedance 2.0はフル品質で最終レンダー向けです。入力能力とリップシンク言語は同じです。

Step 4

クレジットを無駄にするミス

いずれ必ず遭遇する問題です。先に知っておくと、試行錯誤のクレジットをかなり節約できます。

1シーンに3人以上を詰め込む

起きること: 顔がずれ、体が歪み、誰かに余分な腕が生える

修正: 1シーンは最大2人まで。人物同士の物理的距離を明確にします。群衆が必要なら背景要素にし、詳しく描写するのは1〜2人に絞ります。

1ショットに複数のカメラ移動を入れる

起きること: 壊れたジンバルのような不安定な映像になる

修正: ゆっくりドリーイン、穏やかなパン、固定ショットなど、1つだけ選びます。ホイップパンとズームやトラッキングを1生成で組み合わせないでください。

200語の作文をプロンプトにする

起きること: モデルが一部の詳細を拾い、他を無視し、頼んでいないものを作る

修正: 30〜80語。Subject + Action + Scene + Camera + Styleで構造化します。短い投稿に収まらないなら長すぎます。

アップロードファイルに役割を割り当てない

起きること: 参照画像がランダムに解釈され、キャラクター参照が背景やスタイル参照になる

修正: @タグで明示的に役割を書きます。「@Image1 as first frame」は、画像をアップロードして祈るより確実です。

動画内の文字を読ませようとする

起きること: 看板、タイトル、字幕が崩れて読めない

修正: 画面上の文字は避けるか、大きく中央配置で高コントラスト、単語1つにしてください。複数行の文章はうまくいきません。

速い手の動きや細かな指の動作

起きること: 余分な指、融合した手、不可能な解剖になる

修正: すべてのジェスチャーを遅くします。「片手をゆっくり上げる」は機能します。「指で数えながら素早く身振りする」は機能しません。

さらに良くする

結果を大きく改善するコツ

基本を押さえた後は、これらの習慣が「そこそこ」と「安定して良い結果」を分けます。

短く始めてから延長する

まず4〜5秒のクリップを生成します。見た目、動き、キャラクターを固定してから長い尺や延長を使います。未検証のプロンプトでいきなり15秒に行くのはクレジットの賭けです。

動画参照をトリミングする

必要なのが3秒のカメラ移動だけなら、15秒クリップをアップロードしないでください。モデルに参照してほしい正確な区間へ切ります。入力がきれいなほど出力もきれいです。

1つのスタイル、1つの仕上げ

主スタイルと補助的な美学を1つ選びます。「Wes Anderson風の色彩にフィルムグレイン」は機能します。「Wes Anderson meets cyberpunk noir with anime influences」は方向が衝突します。

探索にはFast版を使う

Seedance 2.0 Fastはクレジット半分で約2倍速く動きます。プロンプトと参照を詰める段階で使い、最大品質が必要な最終レンダーで標準版へ切り替えます。

一度に変える変数は1つ

プロンプトも参照画像も尺も同時に変えると、どの変更が改善や悪化の原因か分かりません。1生成につき1つだけ変えましょう。

キャラクター参照は正面ヘッドショット

キャラクター一貫性は、明るく鮮明な正面ポートレートで最も安定します。横顔、集合写真、強くスタイライズされたイラストは、モデルが固定できる情報が少なくなります。

チートシート

60秒ワークフロー

@タグシステムとプロンプト構造を理解したら、実際の作業は速くなります。

Step 01

素材を準備

キャラクターのヘッドショット、スタイル参照、必要ならカメラ移動用の動画を集めます。動画は必要な区間に切ります。

Step 02

構造化プロンプトを書く

Subject + Action + Scene + Camera + Style。80語以内。アップロードした各ファイルに@タグを割り当てます。

Step 03

Fastで下書き

Seedance 2.0 Fastで2〜3回すばやく反復します。1回ごとに1つの変数だけ変え、見た目を固定します。

Step 04

最終レンダー

本番用は標準Seedance 2.0へ切り替えます。目標尺とアスペクト比を設定し、出力します。

FAQ

よくある質問

Seedance 2.0で動画生成にはどのくらい時間がかかりますか?

尺と参照の複雑さによります。4秒のテキストのみのクリップは通常1分以内です。画像、動画、音声参照を複数使う15秒クリップは数分かかることがあります。Seedance 2.0 Fastならおおよそ半分の時間になります。

良い結果には4つのモダリティすべてが必要ですか?

いいえ。単純なシーンならテキストのみでも問題ありません。開始フレームやキャラクター用に参照画像を追加すると、一貫性が大きく改善します。音声と動画参照は、リズム同期や特定のカメラワークが必要なときの強力な追加手段です。

Seedance 2.0とSeedance 2.0 Fastの違いは?

機能は同じです。4モダリティ入力、ネイティブ音声、リップシンク言語も同じです。Seedance 2.0 Fastは約2倍速く、クレジットは半分ですが、複雑なシーンでは細部品質にわずかなトレードオフがあります。下書きと反復にはFast、最終出力には標準版を使いましょう。

動画をアップロードして1つの要素だけ変えられますか?

一部可能です。動画を参照として使い、カメラ移動、テンポ、構図を保ちながら、プロンプトや画像参照で被写体を変えられます。フレーム単位で完全な編集ではありませんが、多くの創作ワークフローには十分近い結果になります。

ショット間でキャラクターの外見が変わる場合はどうすればいいですか?

@タグ付きの専用キャラクター参照画像を使います(例: 「@Image1 is the main character」)。明るく正面のヘッドショットを使い、複数ショットで一貫性が必要な場合は参照画像を途中で変えないでください。

15秒を超えてクリップを延長できますか?

1回の生成ではできません。最大は15秒です。長いシーケンスでは、一貫したキャラクター参照で個別クリップを生成し、編集でつなぎます。前のクリップの最終フレームから次を始めると視覚的な連続性を保ちやすくなります。

ショーケース

AI生成動画

AI生成動画の実例をご覧ください。写真、建築、人物、クリエイティブ制作まで、アイデアが映画のような動画に変わる様子を確認できます。

理論はここまで。作り始めましょう。

@タグ、プロンプト構造、避けるべきミスは分かりました。あとは反復です。